アンティーク家具とは



「アンティーク家具」という言葉は市民権を獲得しているものであるため、多くの人が一度は耳にしたことがあるものでしょう。ただし、「何をもってアンティーク家具というか」については、あまり知られていません。 まずはここからご説明いたします。

アンティークの意味

「アンティーク」は「antique」と書きます。アンティークの語源は、「神の言語」として取り上げられることが多いラテン語だとされています。ラテン語では「Antiquus」と書かれ、「古い」「古いもの」を表す単語でした。
ここから端を達した「アンティーク」は、「古めかしい」「古代・古風の」などの意味も持つようになりました。また、現在ではその発展形のようなかたちで、「古い着物」「骨董品」「古い美術品」「古い工芸品」を指す言葉としても使われるようになりました。

なお、「アンティーク」は「アンチーク」「アンティック」「アンチック」などと表記されることもありますが、ここでは「アンティーク」に統一しています。

アンティーク家具の定義

「アンティーク」という言葉が広がっていくにしたがって、「アンティーク家具」という分野も登場しました。これは、非常にざっくり言うのであれば、「古い時代の家具」ということになるでしょう。
アンティークの定義のなかでもっとも有名なのは、“100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品―引用:いわの美術株式会社「【骨董品の基礎知識】骨董品とは?意味や定義、価値の決まり方」の、通商関税法(アメリカ)”というものです。
この定義は世界貿易機関でも取り上げられているものであり、これが現在の「アンティーク」の解釈の基本となっています。

ただし、「専門サイトやアンティークを取り扱う会社によって、多少考え方に違いがある」というのが現状です。上記の定義に正しく沿おうとした場合、「それでは99年11か月しか経っていないものはアンティークとは認められないのか」「正確な日付がわからないものに関してはどうすればよいのか」などの疑問が出てくるからです。
また、「たしかに100年以上経過しているが、量産品でボロボロのイスを『アンティーク家具』と呼べるかどうか?」などのような問題も出てきます。

このようなことを踏まえて、現在では、
・だいたい数十年以上前に作られたであろう家具で
・現在でも使える(あるいは使えるように修理される)家具で
・デザイン性の良さや珍しさなどで、価値があると判断されるもの
に対して、「アンティーク家具」という名称を用いることが多くなっています。

また、会社やサイトによっては、
1.昔の技術や素材で作られており、現在では復興が難しいもの
2.大量生産で作られたものではないもの
3.現代の技術で作られたものだけれど、古く見えるように加工したもの
を「アンティーク家具」とすることもあります。
ただし、3については「時間経過を経たアンティーク家具」と区別するために、「アンティーク風家具」「アンティークリプロダクション(デザインの版権が切れた後に、それを真似して作った家具)」と呼び分けるやり方をとるのが一般的です。

アンティーク家具とヴィンテージ家具

「アンティーク家具の定義づけ」を難しくしているもののひとつとして、「ヴィンテージ家具」があります。しばしば、「アンティーク家具とヴィンテージ家具は違いがあるのか」「違いがあるとすれば、どこにあるのか」などが話題に上ります。

この2つを明確に分けるのは非常に難しいといえます。「ヴィンテージ家具」の定義づけ自体が、非常にあいまいだからです。

ただ、一般的によくみられる解釈としては、
・アンティーク家具は(アメリカの通商関税法によれば)100年以上前のものだが、ヴィンテージ家具の場合は30年~100年程度前に作られたものを指す。
・アンティーク家具は基本的には一品物だが、ヴィンテージ家具の場合は大量生産されたものも含まれる
・アンティーク家具は美術的価値が極めて高いものを指すが、ヴィンテージ家具はその限りではない
というものです。

ただし、上でも述べたように、製造されてから100年未満のものでも「アンティーク家具」と呼ばれることはありますし、非常に良く作られた美しい家具が「ヴィンテージ家具」と呼ばれることもあります。また、この2つをほぼ同じような意味で使っているところなどもあります。

「アンティーク家具の定義」を知ることは、アンティーク家具選びにおいて必要な知識ではあります。しかし一番大切なのは、「自分にとってすばらしいと思える家具に出会うこと」です。アンティーク家具やヴィンテージ家具の定義づけは、そのようなすばらしい家具に出会うための手がかりにすぎません。年代や希少性にとらわれることなく、「お客様自身にとって一番すばらしい家具」を選んでいってくださいね。

アンティーク家具の種類・ジャンルと選び方

さて、この「アンティーク家具」ですが、これには「ジャンル」があります。そしてその「ジャンル」は、大きく以下の3つに分けられます。
1.家具の種類で分ける方法
2.年代別に分ける方法
3.その家具の生まれ故郷で分ける方法
ひとつずつ見ていきましょう。

1.家具の種類で分ける方法
最もイメージしやすいのがこの方法だと思われます。たとえば、「イス」「テーブル」「ベッド」などで分ける方法です。ちなみに、照明器具や鏡なども、アンティーク家具に分類されることがあります。
自分が必要とする家具のタイプで検索ができるため、アンティーク家具にあまり慣れていない人でも選びやすく、比較検討がしやすいのが特徴です。

ただ、一口に「イス」「テーブル」などと言っても、その種類は無数にあります。イスのなかには、ソファもあればチェアもありますし、ベンチやロッキングツールも含まれます。また、テーブルにしても、ダイニングテーブルやライティングビューロー、書類整理をするためのデスクなど多岐にわたります。このため、用途によって選び分ける必要が出てきます。

「この家具のデザインが好きだけれど、自分の考える用途に使えるかどうか心配」などがありましたら、お気軽にお声をおかけくださいね。選ぶお手伝いをさせていただきます。

2.年代別に分ける方法
アンティーク家具は、年代によってそのデザインや素材が大きく異なります。
たとえば、同じ「フランス」の文化を例にとってみると分かりやすいでしょう。1700年初頭からはやり始めたものとしてロココ様式の家具があります。ルイ15世が愛した調度品を代表とするもので、アシメントリー(左右非対称)のデザインが特徴です。また、これは当時の上流階級で人気でした。
対して、1920年ごろから始まるアールデコ様式の家具は、非常にシンプルで、直線的なデザインで作り上げられました。富を持つ人々に愛された様式であり、素材は高級でしたが、ロココ様式とはまったく異なる特徴を有します。

このように、同じ国で生まれたものであっても、年代によってそのデザインには大きな違いがみられます。

3.その家具の生まれ故郷で分ける方法
年代別に分ける方法もありますが、「その家具の生まれ故郷で分ける方法」もあります。
たとえば、上で挙げたロココ様式の家具がフランスを席巻していたころ、イギリスでは機能美に優れた合理的な家具が好まれていました(ただし、このような家具を作り出したイギリスの名家具職人であったチッペンデールは、ロココ様式を基本としているとされています)。
また、アメリカのアンティーク家具(ヴィンテージ家具)はそれだけで1カテゴリーとなるほど人気の高いものです。

このように、同じ年代であっても「生まれ故郷」によって家具のデザインは大きく異なります。年代や風土は建物にも影響を与えますが、中に置かれる家具にも大きな影響を与えているのです。

アンティーク家具のメリット

ここからは、アンティーク家具のメリットとデメリットについてみていきましょう。

アンティーク家具の持つメリットは、以下の通りです。
・多くのアンティーク家具が一品物である
・素材にこだわって作られている
・長い時間をかけて大切に使っていける

・多くのアンティーク家具が一品物である
アンティーク家具は、その多くが一品物です。そのため、量産品の家具とは異なる圧倒的な個性と存在感を示します。「ほかの人の持っている家具と被ること」がまずなく、「自分のためだけにある家具」として長く使っていけます。 なお、デザインの良し悪しについては好みもあるのでここでは取り上げません。

・素材にこだわって作られている
現在残っているアンティーク家具は、非常に品質の良い素材を使って作られています。非常に贅沢な作りになっているものが多く、貴重な木材と職人の一流の技術が惜しげもなく使われているのです。

・長い時間をかけて大切に使っていける
現在残っているアンティーク家具は、長い時間を旅してきたものです。良い材質を、当時の最高の技術で加工したものも多く、非常に長持ちします。頑丈でしっかりした造りのものが多いため、これからも10年20年・・・と使い続けていくことができます。
先人から引き継がれたアンティーク家具を、今度はお客様が使い、そしてさらにお客様がだれかに受け継がせることができます。アンティーク家具は、それ自体がひとつの歴史の生き証人ともいえるのです。

アンティーク家具のデメリット

アンティーク家具は数多くのメリットを持つものですが、デメリットもあります。
・傷がある
・置く場所を選ぶ

・傷がある
アンティーク家具は、だれかから引き継いだものです。
そのため、どうしても細かな傷があります。弊社ではできるかぎり修理をしてお出ししていますが、それでも新品そのものの外見にすることはできません。
ただ、アンティーク家具は傷もまた味となるものではあります。

・置く場所を選ぶ
一品物であるアンティーク家具は、「家のスペースに合わせて選び分けること」はなかなか困難です。サイズ調整ができるものではありませんし、重さがあるものも多いため置く場所は選びます。

アンティーク家具の通販

アンティーク家具は基本的にすべて一品物ですから、一度逃してしまうと二度と手に入りません。そのため、通販などでお取り寄せいただく方法が確実です。

ただ、家具の場合はサイズの問題もあり、「はたして家に運び入れられるのだろうか」「送料がどれほどかかるかわからず不安・・・」と思われる方も多いかと思われます。
そこで弊社では、家具の運び入れについてのアドバイスを行っております。また、アンティーク家具のなかには分解してお運び入れできるものもあるのでまずはご相談ください。

なお、送料は小さいものでかつ近郊ならば1,500円程度で配送が可能ですが、大きいものでかつ遠方ですと50,000円を超えるケースもあります。
アンティーク家具の運び入れと、送料についての詳細はこちらにどうぞ。

アンティーク家具のメンテナンス・お手入れ方法

弊社のアンティーク家具は、最大で84項目の点検と全面クリーニング、仕上げ磨きを経たのちに出荷されています。
また、1年間は無償で修理を行いますし、3年目まではメンバー料金でメンテナンスサービスを提供しています。4年目以降あるいは他店様でご購入いただいたアンティーク家具のメンテナンスも、弊社にご依頼いただけます。

それ以外の日常的なお手入れとしては、以下の点に注意してください。
・アンティーク家具の多くは無垢の天然木製です。窓際や空調近くでのご利用は避け、湿度や温度変化が大きいところでの使用もなるべく避けていただくようにお願いいたします。
・3か月~12カ月に1度程度、天然の蜜蝋(みつろう)でのケアをお勧めしております。これを使って磨き上げることで、つややかな面がよみがえります。
お手入れについての詳細はこちらをどうぞ。
アンティーク家具は、長い歴史を旅してきた旅人です。彼らが伝えてくるロマンはいつでも、あなたとあなたの愛する部屋を存在感をもってつつみこんでくれることでしょう。
彼らと向き合い、あなた好みの一品に出会うために、ぜひアンティーク家具のことを知っていただければと思います。