OC0005 ◆ポーランド 2007年 ベントウッドスツール&サイドチェアシリーズ〜オフィスチェア

【アウトライン】
日本ではあまりお目にかかることのない、ベントウッド(曲げ木)の回転椅子です。

「曲げ木」はミヒャエル・トーネットが1842年、初めて特許を取得した家具製造技術ですが、
その「曲げ木」家具が広く世間に普及したのは、1859年、
彼が考案した、画期的な大量生産型ベントウッドチェア、“No.14”が始まりです。

話はちょっと横道にそれますが、その後“No.14”は歴史的なスーパーヒット商品となり、
以来、ミヒャエル・トーネットと5人の息子たちの会社“ゲブルダー・トーネット”社は
世界企業へと発展していきます。

“ゲブルダー・トーネット”社が成長した理由は、もちろん“No.14”の成功が最大の要因ですが、
ミヒャエル・トーネットの経営者としての手腕を見過ごすわけには行きません。

原料調達、生産方式、輸送方法、販売、宣伝活動とあらゆる面で
彼は天才的な手腕を発揮するのです。

さらに、トーネットの曲げ木椅子が“ノックダウン方式”と呼ばれる、パーツ組み立て型の家具のため、
パーツを差し換えることでさまざまなバリエーションが簡単に作れたことから、積極的に顧客ニーズにも対応。
量産家具からオーダーメイドまで多種多様に商品を展開し、
“ゲブルダー・トーネット”社の事業基盤はゆるぎのないものとなっていきました。

ちなみに1907年の製品カタログは何と155ページ!
1,700種の商品バリエーションが展開されていたとのことです。

このキャスター付きベントウッド回転椅子も、そんなキラ星の中の代表的な定番商品でした。

20世紀に入り、産業の発展に伴って事務用椅子の注文が増えたため、
トーネットのラインアップに加えられたようです。

サイズは幅585mm×奥行480mm×高さ770mm(座面高470mm)です。


【コンディション】
こちらは新品未使用品になります。

製造はトーネット社の旧ポーランド工場で行われています。

トーネット社のポーランド工場は、ウィーンとワルシャワのほぼ中央に位置するノヴォ・ラドムスクに、
1881年、トーネット社として6番目に設立した工場です。

その後、第二次大戦を経て、工場施設はポーランド政府に接収されてしまいますが、
国の管理のもとで、近代的な設備を導入しつつ、21世紀に至るまで曲げ木椅子をつくり続けています。

現在では、経営は国営から民営に移行していますが、
ドイツの現ゲブルダー・トーネット社やデンマークの某有名家具メーカーのOEMを請け負ったりして、
家具メーカーとしては充分な実績があります。

きっとご満足いただけるクオリティだと思います。

尚、こちらの椅子はやや赤みのある「ブラウン」にラッカー塗装された商品ですが、
ポリッシングが施された高級仕様になります。

(ご注意点)
1.旧トーネット社時代からの「型」を使用し、また昔ながらの製造工程には手作業も多く、
  現代の生産設備に比べれば手作りに近い商品になります。
  そのため商品価値に影響しない程度のわずかな小傷、色むら等がある場合もございますが
  不良品ではございませんので、あらかじめご了承いただきたくお願い申し上げます。
2.回転機構につきましては、昔ながらの、座面を回すだけで昇降が出来るタイプとなっております。
3.脚元のキャスターにつきましては、プラスチック製ホイールとなっております。
  滑りやすいフローリング等、床の材質につきましては床面の表面に傷のつく場合がございますのでご注意くださいませ。
  市販のウレタンマット等をしいていただく、またはカーペット、コンクリート、Pタイル等の傷つきにくい床で
  ご利用いただくことをお勧めいたします。

【インプレッション】
19世紀末、目覚しく発展を続けていたトーネット社は、曲げ木でできるものは何でもござれ、とばかり
照明器具から揺りかご、車椅子、マガジンラック等、椅子に限らず、
考えつくありとあらゆるアイデアを商品化してきます。

このキャスターチェアもその中のひとつですが、この椅子が発売された当時、1900年ごろには
定番商品と注文家具をあわせ、その商品バリエーションは5,000種類に上ったそうです。

その頃、トーネットが主催した曲げ木家具のデザインコンペも、
トーネットの商品バリエーション以外のアイデアはでなかったということですから、恐るべし、ですよね。

それにしても、とにかくトーネット社が優れていたのは、
パーツの組み換えだけで無数のバリエーションをつくっていったことだと思います。

例えばこの回転椅子のしても、新規に作っているパーツはほとんどないのではないでしょうか。

上半身はほぼアームチェアとパーツを共用しているようですし、
下半身はコートハンガー等の家具のパーツを流用しているように見えます。

とはいえ、これだけの美しいスタイリングをもつキャスターチェアにまとめ上げてしまうのですから、
さすが百戦錬磨のトーネット社、おみそれしてしまいますね。

この椅子は現在、オーストリアにもドイツにもラインアップはないようです。
結構、貴重な商品だと思いますのでぜひご検討いただければ幸いです。

ご家庭用のパソコンチェアも単なる事務的な椅子ではなく、
使えば使うほど味がでて、アンティーク家具とも相性の良い、こんなベントウッドPCチェアも
選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?


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見慣れたアンティークのベントウッドチェアのようですが、新品ですのでピカピカです。



実際にはアンティークとして見かけたことはありませんが、れっきとした定番商品だったようです。



トーネットは世界で初めて、1つの椅子を6つのパーツに分解できる“ノックダウン方式”を開発。
圧倒的に生産効率が上がり、それまで受注生産だった家具の大量生産を可能にしました



パーツデザインは年代や生産された工場によって微妙に違いがありますが、
この椅子のフォルムにはトーネット・ポーランド工場時代のモールド(型)が使用されています。




ノスタルジックな“ウィーンデザイン”です。
筆者も事務所に1脚置いておこうと思っております。(笑)




ベントウッドアームチェアの典型的なトップレイルです。



アームレストは無垢ですが、“フィンガージョイント”で継がれています。
強度を上げるためでしょうか?




アーム、背柱、座をつなぐ合理的な補強材です。
アンティークとほぼ同様の形状です。




中央のスプラットバック(背あて)を替えるだけでさまざまなバリエーションが展開できました。



背柱もボルト留めのノックダウン方式です。



このアングルだとアームチェアと区別がつきませんね。



当時のカタログには座面のエンボスデザインは数十種類から選べるようになっていました。
残念ながら、現在はこのエンボスだけしか生産されていませんが、
これはニューヨーク近代美術館MoMAに展示されている“No.18”と同じデザインです。




トップレイル、アームレストはもちろんベントウッド(曲げ木)です。



滑らかなプライウッドのプレスラインです。



補強材はスクリュービスのみで留められているシンプルな構造です。



こちらも“フィンガージョイント”で継がれています。



補強材はスクリュービスのみで留められているシンプルな構造です。



補強リング、キャスターベース、キャスター、回転軸全てが分解可能なノックダウン型であることがわかります。
ちなみに、リクライニング機構はありません。



キャスターのスチールベース接合部です。(背面)



フロントの隅木にスクリュービスで留められたキャスターベースです。



アームチェア同様、ボルトオンの背柱。



回転軸に、こちらも接着剤無しのビス止めされた5本脚。



ごくノーマルなタイプの硬質ウレタン(プラスチック)ホイールのキャスターです。



現代品同様のビス止め式ですので、
仮に100年使用してキャスターが朽ち果てても何の問題もなく交換が可能です。




回転軸を覆う太いソリッド・ビーチのカバー。
こちらは曲げ木ではなく、削り出しの半円柱を重ね合わせたようです。




トーネット定番の補強リングです。ノックダウンですね。



補強リングの接合部分です。“フィンガージョイント”と呼ばれています。
アンティークですと“スカーフジョイント”と言って斜めにカットされた面を接合していただけでしたが
のちに、このようにギザギザにカットして接着面積を広くし、強度を向上させました。




100年は経過しているデザインですが、今尚、古さは感じません。



椅子はバックスタイルがインテリアになります。
・・インテリア性の極めて高いキャスターチェアです。




この製造工場では1900〜1920年ごろの製造法に近い形で生産しています。
近代化された独トーネット社で生産される現♯233に比べると、その仕上げにはやはり時代を感じてしまいます・・。
でも、それを古いと感じるか、それが今の時代にはない良さ、と感じるかは貴方次第です。




アンティークとこの椅子の最大の違いは塗装です。
塗料が現代の“ニトロセルロースラッカー”を使用しています。

乾燥が速く、耐水性に優れているラッカー塗装を選択したのは、やはり時代の流れだと思います。

(ご購入に際しての補足事項)
◆この商品は一定の国内在庫はございますが、発送までにお時間をいただく場合もございます。在庫数をご確認下さい。
◆飲食店様等、相当数のご注文にも対応できますので、ぜひお問合せください。
◆発送は神奈川県よりヤマト運輸のヤマト便での発送を予定しております。
◆送料は概算ですが、札幌2,530円、仙台1,640円、東京23区1,470円、名古屋1,540円、大阪1,680円、福岡2,060円になります。

※こちらの商品は在庫数が終了しました。

 

他にもベントウッドチェアのラインアップございます。商品一覧はこちらをご覧下さい。

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