AC0075 ◆イギリス1890年代 ヴィクトリアンアームチェア

【アウトライン】
「無銘の椅子」がお届けする“M's style chairエムズスタイルチェア”“Seikimatsu Blend セイキマツ ブレンド”シリーズです。


すばらしい椅子が入荷しました!

19世紀末、いわゆる“レイト・ヴィクトリアン”に製作されたハイレリーフのサロンチェアです。
スタイルはおそらく初期の“チッペンデール”様式をベースにヴィクトリアン風に再現したものだと思います。

“チッペンデール”はアンティーク好きの方なら耳にしたことがあるかと思いますが、
世界で、そう、最初の家具デザイナーです。

今でこそ、ハンス=ヴェグナーやアルネ=ヤコブセン、チャールズ=イームズなど、
星の数ほどの家具デザイナーが存在し、
彼らの作品が“デザイナーズ家具”としてブームになったりもしていますが、
実は全て、彼、トーマス=チッペンデールからはじまったものだったのです。

話はそれますが、もともと家具というものは、王侯、貴族たちが金にまかせてつくっていた道楽品で、
庶民にはまったく縁のないシロモノでした。
そこでトーマス=チッペンデールは庶民のための家具開発に取り組んだのです。

クイーンアン様式をベースにした、その流れるような美しいチッペンデール・スタイル・・。
しかし、それは量産化を目的とした、極めて合理的で優れた“工業デザイン”といえるものでした。

そして量産化された家具は、ブルジョア階級に受け入れられ、後に広く世に広まることになりました。

ちなみに、チッペンデール様式やクイーンアン様式など、この時代のイギリスの装飾様式は
当時のハノーヴァー朝の君主名より“ジョージアン”と総称されています。

また、俗にジョージアンの家具が作られた時代を、“イギリス家具の黄金期”とも呼ばれています。

サイズは幅580mm×奥行590mm×高さ890mm(座面高440mm)です。

【コンディション】
100年以上経過したアンティークとしてはかなり良いコンディションだと思います。

素材はソリッド・マホガニーで、やや赤みのある木肌には木目も自然に現れていて
艶も充分にあります。

ガタやグラは一通りチェックいたしましたが確認できませんでした。
実用的にも充分なレベルにあります。

ただ座面の張り地はオリジナルですので、やや使用感があります。

アップの写真でご確認いただけると思いますが、若干擦れがあります。
とは言っても、一見してはわからない程度の擦れで、
交換するほどのダメージではないものと判断しておりますので、
現状にて販売させていただきます。

ちなみに座面のクッションにはコイルスプリングが使用されているようで
まだまだ充分弾力性を保っています。

スプラットバック(背板)のピアスドカービング(透かし彫り)やハイレリーフ(深い彫りこみ)、
アームから続くガブリオールレッグ(猫足)に施されているローレリーフ(浅い彫りこみ)など、
この椅子の特徴ともなっているデコレーションには欠けもなく、すばらしい状態だと思います。

仕上げ自体の美しさについてはご覧の通りです。
もちろん年代なりの小傷、色むらなどはありますが、ほとんど目立たないものです。

全体的にはきっとご満足いただけるコンディションだと思います。

【インプレッション】
この椅子を端的に評価させていただくと、現代ではまずリプロダクション(復刻)が不可能なレベルの、
ある意味で、超ハイテクノロジーなアンティークチェアです。

19世紀から20世紀に引き継がれた文化遺産、といっては言い過ぎでしょうか?

何か、でも・・・こんなことを私が言うのも変ですが、
ちょっと座る人を選んでしまうような雰囲気がありますね。

“チェアマン”などという言葉もあるように、まだ“椅子”というものが権力の象徴だった時代。

そんな既成概念を打ち砕こうとしたトーマス=チッペンデールのデザインが
21世紀には、逆に、権力の象徴に見えてしまうなんて・・・、
何か皮肉な話ですね。

我こそはこの椅子にふさわしいという方、または、これからこの椅子にふさわしくなる予定の方、
ぜひこの機会にご検討ください。
















































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